2026/04/17

【これで覚えたことを忘れない】 エビングハウスの忘却曲線とは? 記憶の定着に役立つ復習のコツを解説

 

 

はじめに

「昨日あんなに時間をかけて覚えたのに、今日のテストではさっぱり思い出せない……」

そんな経験、ありませんか?

中学生にとって「忘れること」は最大の悩みかもしれません。

しかし、実は「忘れる」のは脳の仕組みとして当たり前のことなのです!

この記事を読めば、「エビングハウスの忘却曲線」という理論を通して、忘れる仕組みと、それを逆手に取った「最強の勉強法」が分かります。

効率的な復習の方法をマスターして、テスト前に焦らないようにしましょう!

 

 

「勉強したのに忘れちゃう…」そんな人に役立つ記事

こんな経験ありませんか?

 英単語を50個覚えたのに、翌日には半分以上忘れている

 数学の公式を暗記したのに、テスト中はどうしても出てこない

 漢字を前日は覚えていたはずが、当日のテストの朝には書けなくなっている

 理科の用語を覚えたそばから、別の用語と混同してしまう

 歴史の年号を一生懸命暗記したのに、1週間後にはもう思い出せない

 

  

 

「自分は記憶力が悪いのかな?」と不安になる必要はありません。

これは脳が正常に働いている証拠なのです。

 

忘却曲線を知ると勉強がラクになる理由

忘却曲線(いつ忘れてしまうか)を知ることで、以下の3つのメリットがあります。

 1 「いつ復習すればいいか」のベストタイミングがわかる

 2 非効率な勉強時間を減らし、効果的に暗記できる

 3 記憶が定着するので、テスト前に焦ってつめこむ必要がなくなる

 

 

エビングハウスの忘却曲線とは?

 

「エビングハウスの忘却曲線」とは、「時間が経つにつれて、私たちの記憶がどのように薄れていくか」をグラフに表したものです。

140年以上前の1885年に、心理学者のエビングハウスによって発表されました。

 

エビングハウスってどんな人?

ヘルマン・エビングハウスは、1850年生まれのドイツの心理学者です。

「記憶を科学的に研究する」という発想がまだなかった時代に、自らを実験台にして記憶のメカニズムを解明しました。

今では「記憶の研究の父」と呼ばれています。

 

なぜ自分で実験したの?

当時はMRIなどの脳を調べる機械がなかったため、彼は「自分の記憶力を毎日テストして記録し続ける」という地道な方法を選びました。何年もかけて膨大なデータを集め、それをグラフにまとめたのが「忘却曲線」です。

 

 

エビングハウスの実験方法

エビングハウスは、純粋な「記憶の仕組み」を調べるために、実験にユニークな工夫を取り入れました。

 

どんな実験をしたの?

エビングハウスは「無意味綴り(むいみつづり)」という、意味をもたない3文字の組み合わせ(例:「XAZ」「QOF」「LUM」など)を何十個も覚える実験を行いました。これらを覚えて、時間が経ったあとにどれだけ忘れているかを記録しました。

 

なぜ「無意味な文字」を使ったの?

「りんご」や「学校」のように意味がある言葉だと、これまでの経験によって覚えやすさに差が出てしまいます。そこで、あえて意味のない文字を使うことで、「人間の脳そのものがもつ、純粋な記憶の法則」を見つけようとしました。

 

実験の流れはこんな感じ

1 覚える

  →無意味綴りのリストを完璧に言えるまで暗記する。

2 待つ

  →20分後、1日後など、一定時間を置く。

3 測る

  →もう一度覚え直し、最初よりどれだけ短時間で覚えられたかを測定する。

4 計算する

  →この「短縮できた時間」から、記憶の保持される割合を導きだす。

 

実験でわかった驚きの結果

覚えてから1か月後までの忘れた割合、覚えている割合は下記の表のようになりました。

20分後にはもう4割以上忘れていることがわかります。

 

  

 

 

忘却曲線のグラフを読み解こう

記憶の保持率をグラフにすると下記のようになります。

  

 

上記の忘却曲線のグラフから、私たちの脳は、「覚えた直後に最も激しく忘れる」ことが読み取れます。

このグラフの見方を知ると、忘れないようにするには、覚えたあとの復習が大切であることがよりはっきり分かります

 

グラフの軸とカーブの意味

先ほどのグラフは、縦軸は「記憶の保持率」、横軸は「経過時間」を表しています。

100%は完璧に覚えている状態、0%は完全に忘れた状態です。

1日後は33%なので、約3分の1しか残っていません。

記憶の保持率は一気に減少、そのあとは緩やかに減少のカーブを描いています。

このカーブから言えることは、最初は滝のように急激に記憶が減り、その後はゆっくりと忘れていきます。

つまり、「最初の1日の過ごし方で勝負が決まる」のです。

 

具体例で考えてみよう 英単語50個を覚えたときの忘却曲線

今日50個の英単語を覚えたとします。

覚えた単語は、先ほどの「忘却曲線」にもとづくと下記のように覚えた単語が減っていきます。

 20分後には29個に減る(21個忘れる)

 1日後には16個に減る(34個忘れる)

 1週間後には12個しか残っていない

上記からも、「その日のうちに復習する」(忘れることを防ぐ)ことが非常に重要になります。

 

   

 

 

なぜ人は忘れるの? 脳の仕組みを知ろう

忘れるのは脳の「お掃除機能」

私たちの脳は毎日膨大な情報を受け取っています。

もしそれらを全部覚えようとしたら、脳はすぐにパンクしてしまいます。

そのため、脳は「大事なもの」「不要なもの」を自動で仕分けし、不要なものを捨てています。

 

脳が「大事」と判断する3つの条件

脳は以下のような情報を「捨ててはいけない大事なもの」と判断します。

 1 何度も繰り返し入ってくる情報(復習したもの)

 2 感情が大きく動いた情報(楽しかったこと、驚いたこと など)

 3 生きるために必須の情報(危険なこと、食べ物のこと など)

つまり、テストのために1回しか勉強していないことは、脳に「不要な情報」と判断されて捨てられてしまうのです。

 

記憶には2種類ある

私たちの脳が蓄える記憶には、大きく分けて「短期記憶」「長期記憶」の2種類があります。

〈短期記憶〉

一時的に保存される記憶で、数秒から数日しか持ちません。

復習をしないと、脳の「お掃除機能」によってすぐに消えてしまいます 。

〈長期記憶〉

脳に深く刻まれ、数か月から一生忘れない記憶です。

繰り返し何度も入ってくる情報は、脳が「これは生きるために必要だ」と判断し、記憶として定着させます。

 

エビングハウスの忘却曲線が示しているのは、まさにこの「短期記憶」から「長期記憶」へ移行するプロセスです。

「一度覚えて終わり」にするのではなく、繰り返し復習することで、消えやすい短期記憶を一生モノの長期記憶に変えることができるのです。

 

 

復習すると忘却曲線はどう変わる?「節約率」の話

復習には、単に思い出す以上の強力な効果があります。

 

「節約率」ってなに?

「最初に覚えるのにかかった時間」と「覚え直すのにかかった時間」の差のことです。

たとえば、最初は10分かかったけれど、復習したら5分で覚えられたなら、5分節約できた(節約率50%)となります。

復習を繰り返すほど、この節約率は高まっていきます。

 

復習はこんなに効果的! 復習すると曲線が「なだらか」になる

復習をするたびに、忘却曲線のカーブは「持ち上がり」、なだらかになっていきます。

 

 復習0回【グレーの線】→ 1日後に67%忘れる(33%しか保持されていない)

 復習1回(翌日)【黄色の線】→ 1週間後でも50%覚えている

 復習2回(翌日+1週間後)【赤の線】→ 1か月後でも60%覚えている

そして、復習3回以上の復習を行うと、数か月から一生忘れない「長期記憶」へと定着していきます。



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忘却曲線を活かした復習のゴールデンタイム

効率を最大化する復習の4ステップはこれです!

 

ステップ①:その日のうちに(5〜10分)

寝る前などに教科書や参考書、ノートをパラパラ見返すだけでOK。脳に「これが大事だよ」とサインを送ります

ステップ②:翌日に(5分)

前日の内容をテスト形式で確認。思い出す作業が記憶を強くします。

ステップ③:1週間後に(3〜5分)

週末にまとめて1週間に学習したことを復習。忘れていた部分を重点的にチェックします。

ステップ④:1か月後に(2〜3分)

定期テスト前や長期の休みのときなどに1か月間に習ったことを総復習。時間は短くてもOKです。

ここまでやれば、記憶は定着し、簡単には忘れません。 

 

 

教科別! 中学生のための復習法

英語

単語カードやアプリを使い、「今日→明日→週末」のサイクルで単語学習をしましょう。

たとえば、月曜日に単語を10覚える→火曜日にその単語をテスト→週末に1週間で覚えた単語をまとめて復習、のようなサイクルで単語を定着させていきましょう。

 

数学

公式を覚えたら、必ず翌日に「類題」を1問解くのがコツです。公式をただ見るだけではなく、手を動かし、問題を解くことが「公式」を記憶に定着させる近道です。

 

理科

実験の方法・目的・結果を自分でまとめ、翌日に見返しましょう。また、元素記号などはただ見るだけではなく、語呂合わせで毎日声に出して定着させましょう。

 

社会

歴史の年号は年号だけを単純に覚えるのではなく、「なぜそれが起きたか」「どのような結果になったか」というストーリーとセットで覚えましょう。

地理は白地図を活用し、覚えたことを自分でまとめましょう。

 

国語

漢字の復習の手段は「書く」が一番効果的です。また、古文や漢文は現代語訳を覚えるだけでなく、毎日音読して、リズムで覚えましょう。

 

 

中学生が今日からできる記憶を強化させるコツ5選

コツ①:ちょこちょこ勉強

1回30分の勉強よりも、10分を3回に分ける勉強のほうが脳は飽きずに覚えられます。

 

コツ②:思い出す練習(アウトプット)

見るだけではなく、紙に書く、声に出すなど「思い出す」ための作業を重視しましょう。

 

コツ③:理由を考えながら覚える

「なぜ?」を理解して覚えると、丸暗記よりも圧倒的に忘れにくくなります。

 

コツ④:寝る前の10分暗記

睡眠中に脳が記憶を整理してくれるため、寝る直前の暗記は効果絶大です。

 

コツ⑤:ほかの人に説明してみる

人に教えるには自分が深く理解している必要があります。説明することで記憶が最強になります。

 

 

まとめ、忘却曲線を味方にして成績UP!

最後にこの記事のポイントをまとめました。

 1 忘れるのは脳の正常な機能。自分を責めない!

 2 1日経つと約7割忘れる。だから「当日」と「翌日」の復習が命!

 3 復習するたびに覚え直す時間は短くなる(節約率)。

 4 スキマ時間に「思い出す練習」を上手に取り入れる。

 5 「思い出す」練習を続けることが成功のカギ。2週間続ければ習慣になる!

 

最初は少し大変に感じるかもしれません。しかし、復習のコツをつかめば、勉強はもっと楽しく、ラクになります。

今日からさっそく、実践して、定期テストで高得点を目指しましょう。

  

 

 

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