素因数分解とは? やり方を5ステップで解説! わかりやすい完全ガイド

素因数分解(そいんすうぶんかい)は、中学数学の最初の単元で登場します。
「なんだか難しそう」と身構えてしまう人もいるかもしれません。
しかし、実は、ルールさえ覚えてしまえば、パズルのように決まった手順で解くことができます。
この記事では、素因数分解のやり方を5つのステップで丁寧に解説します。
素因数分解とは?基礎から理解しよう
まずは、
「素因数分解って結局なに?」
という疑問をスッキリ解決しましょう。
素因数分解とは?
素因数分解とは、一言で言うと
「ある自然数を、素数だけのかけ算の形にすること」
です。
例えば、自然数「6」で考えてみましょう。
6は「2×3」と表せます。
2も3も、これ以上分けられない「素数」ですね。
このように、自然数を素数の積(かけ算)に分解するが素因数分解です。
素因数分解で使う重要な用語
数学が苦手な人は、まずこの4つの言葉をセットで覚えてしまいましょう。
自然数
1, 2, 3…といった、正の整数のこと。
素数
1とその数自身でしかわり切れない、2以上の数(例:2, 3, 5, 7, 11…)のこと。
因数
ある数をかけ算の形にしたときの、それぞれの数のこと。
また、素数である因数を、素因数という。
積
かけ算の答えのこと。
「素数」と「素因数」は混同しやすいですが、「素数である因数」のことを素因数と呼びます。

素因数分解を学ぶメリット
「なぜこのような分解をするのか」と疑問に思う人もいるでしょう。
しかし、素因数分解ができるようになると、次のような場面で非常に役立ちます。
① 計算ミスが減り、スピードが上がる
分母・分子が大きな数の約分や、最大公約数・最小公倍数を見つけるときに迷いがなくなります。
共通の「素数」を見つけるだけで、複雑な計算もシンプルになります。
② 中3数学・高校入試の必須スキル
「平方根(ルートの計算)」や「2次方程式」では、素因数分解を使う場面があります。
今のうちにマスターしておくことが、入試対策の第一歩になります。
③ デジタル社会を支える「暗号」の基礎
スマホでの買い物やSNSのセキュリティ(暗号)には、実は素因数分解の仕組みが使われています。
実社会でも役立つ仕組みなのです。

素因数分解のやり方(5つのステップ)
それでは、実際に手を動かしてやってみましょう。
ここでは「20」を例にして、確実に解ける5ステップの手順を紹介します。
ステップ① 素因数分解する数の左にL字の線をひく
まずは、ノートに「20」と書き、その左から下にかけてL字型の線をひきます。

わり算の筆算を上下逆さまにしたような形を書くのが、素因数分解のコツです。
「逆さわり算」ということもあり、素数を整理して書くのにとても便利です。
ステップ② 最も小さい素数でわる
20をわり切ることができる、最も小さい素数を探します。
素数は小さい順(2, 3, 5, 7…)に考えていくのが効率的です。
20は偶数なので、まずは「2」でわってみましょう。
ステップ③ わった素数を左に、答えを下に書く
L字の左側にわった素数の「2」を書き、下側にわり算の答え(商)である「10」を書きます。
ノートには次のように書き込んでいきます。

ステップ④ わり切れなくなるまで繰り返す
商が「素数」になるまで、同じ作業を繰り返します。
10はまだ2でわれますね。
さらに下にL字を書きたして、計算を続けます。

商が「5」になりました。
5はこれ以上わり切れない素数ですので、ここで計算終了です。
ステップ⑤ 左に並んだ素数をかけ算で表す
最後に、L字の左側に縦に並んだ数字と、一番下の数字をすべてかけ算の形で書きます。

今回の場合は、次のようになります。
20=2×2×5
同じ数が複数あるときは、指数(累乗)を使ってまとめましょう。
答え 20 = 22×5
素因数分解の解き方のコツと時短テクニック
基本のやり方がわかったら、次は「速く、正確に」解くための実践的なテクニックを身につけましょう。
これを知っているだけで、計算スピードが格段に上がります。
わり切れる素数を素早く見つける方法
大きな数字を見たときに、「何でわれば良いのか」と迷う時間を減らすのがコツです。
以下の「倍数判定法」を覚えておきましょう。
【2でわり切れる数】
一の位が偶数(0, 2, 4, 6, 8)であれば、必ず2でわり切れます。
例 196458はとても大きな数ですが、一の位が偶数なので2でわり切れます。
196458÷2=98229
【3でわり切れる数】
「各位の数の和」が3の倍数なら、その数も3でわり切れます。
例 726で考えると、各位の数の和は、
7+2+6=15
です。15は3でわり切れるので、726も3を因数に持つことがすぐにわかります。
726÷3=242
【5でわり切れる数】
一の位が0または5であれば、必ず5でわり切れます。
例 23945÷5=4789
まずはこの3つを確認するだけで、分解のスピードがぐんと上がります。
大きな数の素因数分解のコツ
3桁以上の大きな数の場合は、小さな素数(2や3)から順にコツコツわり続けても答えが出せますが、
「まずは自分が思いついた大きな数で分解してみる」
という方法も有効です。
例えば、「420」の場合、一の位が0なので「42×10」と考えることができます。
- 42は、 6×7、つまり (2×3)×7
- 10は、 2×5
これらを合わせると、
420=2×3×7×2×5
となり、最終的に
420=22×3×5×7
と導き出せます。

素因数分解に慣れてきたら、頭の中でこの「塊での分解」をイメージできるようになると、計算が非常にラクになります。
よくある間違いと対策
テストでうっかり失点をしないために、次の3つの「よくあるミス」を意識しておきましょう。
「1」を素因数に入れてしまう
素因数分解は「素数」の積で表すものです。
1は素数ではないので、答えに「×1」と書かないように注意しましょう。
指数の書き忘れ、書き間違い
同じ素数が複数あるときは、23 のように累乗の形でまとめます。
テストでの指示にもよりますが、通常は「2×2×2」とそのまま並べて書くと、正解にならない場合が多いので気をつけましょう。
わり算を途中で止めてしまう
逆さわり算の最後(一番下の数)が、まだわり切れる数(合成数)のまま終わってしまうことがあります。
一番下の数が、これ以上わり切れない「素数」になっているか、必ず確認しましょう。
素因数分解の練習問題にチャレンジ!
理解を深める一番の近道は、実際に手を動かして解いてみることです。
筆記用具を準備して、次の問題に挑戦してみましょう!
基礎問題 1桁〜2桁の数を分解してみよう
まずは基本の数字から。
小さな素数「2」や「3」でわり切れるかを確認しながら進めましょう。
【問題】次の数を素因数分解しなさい。
① 12 ② 18 ③ 24

【解答と解説】
① 12 = 22×3
② 18 = 2×32
③ 24 = 23×3

標準問題 3桁の数に挑戦
少し数字が大きくなりますが、落ち着いて分解していきましょう。
先ほど紹介した「倍数判定法」を活用するのがポイントです。
【問題】次の数を素因数分解しなさい。
④ 108 ⑤ 180

【解答と解説】
④ 108 = 22×33
⑤ 180 = 22×32×5

【別解】
⑤ 180=18×10と
考えて、
18=2×32
10=2×5
から、
180 = 22×32×5
とすることもできます。

応用問題 大きな数の素因数分解
最後は、500以上の大きな数に挑戦です。
大きな塊を見つける「時短テクニック」を積極的に使って、効率よく分解しましょう。
【問題】次の数を素因数分解しなさい。
⑥ 756 ⑦ 1260

【解答と解説】
⑥ 756 = 22×33×7
⑦ 1260 = 22×32×5×7

⑦は、次のように考えることもできます。

素因数分解でつまずいたときのQ&A
最後に、素因数分解を勉強している人がよく抱く疑問をまとめました。
モヤモヤを解消して、素因数分解をマスターしましょう!
素数を覚えられないときはどうする?
素数は無限に続くため、素数をすべて覚えることはできません。
中学数学の問題でよく使うのは、「2, 3, 5, 7, 11, 13」の6つくらいですので、まずはこれだけ覚えておきましょう。
これだけ知っていれば、多くの問題に対応できます。
もし「この数は素数かな?」と迷ったら、先ほど紹介した「倍数判定法」を使って、2や3でわり切れないかチェックしてみてください。
1は素因数に含める? 含めない?
結論から言うと、1は素因数に含めません。
そもそも素数の定義が「1とその数自身でしかわり切れない2以上の自然数」だからです。
もし「1」を認めてしまうと、例えば6の素因数分解が 2×3 だけでなく、1×2×3 や 12×2×3 など、無限の書き方ができてしまいます。
「答えを1通りに決めるため」というルールがある、と覚えておきましょう。
同じ素数が何回も出てくるときの書き方は?
同じ素数が複数出てくる場合は、指数(累乗)を使って書きましょう。
例えば、2が4回出てきたときは「2×2×2×2」ではなく「24」と書きます。
これは数学のルール(作法)のようなもので、これによって式の見た目がスッキリし、後の計算(平方根など)がやりやすくなるというメリットがあります。
素因数分解ができないと困ることは?
素因数分解は、中学数学のあらゆる単元の「土台」になります。
これができないと、次のようなところで苦労してしまいます。
・最大公約数・最小公倍数を求めるのが遅くなる。
・下のような平方根(ルート)の計算が遅くなる。
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・高校数学の「整数」や「数列」の単元でつまずいてしまう。
逆に言えば、今ここで素因数分解をマスターしてしまえば、これから先の数学がぐんとラクになります。
「今、最強の武器を手に入れるんだ!」
という前向きな気持ちで取り組んでくださいね。
まとめ:素因数分解をマスターして数学力をアップしよう
素因数分解は、一見難しそうですが、次のポイントを押さえれば怖くありません。
◎ 「素数のかけ算」の形に分解すること
◎ 「逆さわり算」をていねいに書くこと
◎ 倍数判定法(2, 3, 5, 4, 9)を活用すること
◎ 同じ数は指数(累乗)でまとめること
何度も練習問題を解くうちに、数字を見ただけで「これは3でわれそうだな」という感覚が身についてきます。
焦らず、一つひとつの計算を大切に進めていきましょう。
素因数分解が得意になれば、あなたの数学力は間違いなくランクアップしますよ!

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※素因数分解は中学1年の内容になります。
以下で紹介するシリーズの、1年生のもののみ該当しますのでご注意ください。
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