2026/07/31

【中学理科】火山-そのしくみを探る-マグマや噴火の秘密を徹底解説!

 

 

 

火山とは?

地球の内部の温度は、地表から深くなるほど高くなります。地下には高温によって岩石がとけ、どろどろになった状態のものが存在します。これがマグマとよばれるものです。

このマグマが陸の地表や海底に噴き出すことによってできた地形が火山です。ですから、火山は陸だけではなく、海底にも存在します。

 

 

マグマの生成

地球は、中心から地表に向かって、内核、外核、マントル、地殻からなる層構造をしています。内核、外核はそれぞれ主に固体の鉄、液体の鉄からできていて、マントルと地殻は岩石からできています。

 

 

 

マントルを構成する岩石(主にかんらん岩)は、高温でも大きな圧力が加わっていると、とけることはありません。しかし、温度がさらに上がり、大きな圧力のもとでもとける温度に達したり、圧力が低下してとける温度が低くなったりすると、とけ始めます。こうしてマグマができます。

 

 

マグマ、火山ができる場所

マグマ、火山のできる場所は主に3つあります。このうち2つはプレート境界です。

地球の表面は十数枚のプレートにおおわれています。プレートとは厚さ10~200kmほどの岩石の層で、マントルの上層部分と地殻で構成されています。プレートは、厚さがうすく(10~100km)密度が大きい海洋プレートと、厚さが厚く(100~200km)密度が小さい大陸プレートに分けられています。これらのプレートは、1年に数cm程度のゆっくりとした速さで動いています。2つのプレートが接している境界では、プレートの動きが関係してマグマ、火山ができます。

もうひとつは、プレートの境界とは直接は関係のない場所です。プレートの境界以外でマグマができる場所をホットスポットといいます。

  

マグマと火山ができる場所についてまとめると、次の①~③のようになります。

① プレートの沈みこみ帯

海洋プレートと大陸プレートがぶつかると、密度の大きい海洋プレートが大陸プレートの下にもぐりこみます。海洋プレートは海底となっていたので水分を多くふくんでいて、この海洋プレートが大陸プレートの下深くまでくると、大きな圧力によってふくまれていた水分が出てきます。

すると、岩石のとける温度が大きく下がるため、上部の大陸プレートのマントル部分がとけ始め、マグマとなります。できたマグマは、周囲の岩石より密度が小さいため、浮力がはたらいて上昇し、密度が周囲と同じになった場所にとどまり、マグマだまりができます。

このマグマだまりから上昇したマグマが地表に噴き出して火山ができます。

 

② 海嶺

海洋プレートが2つに引き裂かれ、その境界にできたすき間をうめるように、地下から高温の固体のマントルが上昇してきます。

すると、圧力が下がり、上昇してきたマントルがとけはじめ、マグマになります。このマグマが海底に噴出すると海底火山となります。

また、この場所では、上昇してきたマントルなどが新たにプレートの一部となり、すき間の両側に広がっていきます。このような場所を海嶺といいます。

なお、私たちの目にふれることはないため、意外かもしれませんが、海底火山での溶岩などの噴出量は、火山の中で最も多いのです。

 

③ ホットスポット

核の熱により、プレートの下のマントルの一部が高温となって上昇し、これがとけてマグマになります。このマグマがさらに上昇し、プレートをつき破って地表に噴き出し、火山ができます。

 

 

火山の噴火

マグマには、水蒸気をはじめとする気体の成分がとけています。このマグマが地表近くまで上昇すると圧力が下がり、とけきれなくなった気体の成分が気泡になります。マグマの内部の気泡がふえると、マグマ全体の体積が急に膨張して爆発し、岩盤をつき破って地表に噴き出します。これが噴火です。

 

  

炭酸飲料の入ったペットボトルをあたためたり振ったりして発泡させ、ふたをゆるめると、炭酸飲料が噴き出しますね。これと同じような現象なのです。

噴火で噴き出すもの



  

 

火山の噴火によって地表に噴き出てくるものをまとめて火山噴出物といい、ほとんどがマグマに由来するものです。

火山噴出物にはどのようなものがあるのでしょうか。

 

① 火山ガス

主に、マグマにとけていた気体で、噴火の大きな原因になります。この気体のほとんどは水蒸気で、そのほかに、二酸化炭素や硫化水素、二酸化硫黄などがふくまれています。

 

② 溶岩

マグマが地表に流れ出たものです。マグマが地下にあるときに結晶(固体)となったものがふくまれています。また、地下にあるときのマグマが発泡したあとなので、とけている気体も少なくなっています。

 

③ 火山砕屑(さいせつ)物(テフラ)

噴火によってマグマが細かく砕(くだ)かれたものです。大きさや形、構造によっていくつかの種類に分けられています。

火山灰…形や構造が決まっていないもので、直径が2mm以下のもの。

・火山礫(れき)…形や構造が決まっていないもので、直径が2mm~64mmのもの。

・火山岩塊…形や構造が決まっていないもので、直径が64mm以上のもの。

火山弾…マグマの断片が飛ばされている間に特定の形になって固まったもの。

軽石…内部に気泡が発生した状態で急に冷えて固まったもので、たいへん軽く、小さな穴がたくさんあります。

    このうち、白っぽい色のものを軽石、黒っぽい色のものをスコリアといいます。

 

  

 

 

火山の形

マグマはマントルを構成する岩石がとけたものです。マントルを構成するかんらん岩の主成分は二酸化ケイ素(SiO2)です。

つまり、マグマには二酸化ケイ素がふくまれています。二酸化ケイ素は無色透明で、ひも状や網目状につながります。

したがって、ふくまれる二酸化ケイ素の割合が大きいほど、マグマは白っぽく、ねばりけは強くなります。ねばりけの弱いマグマが地表に噴き出して溶岩になると、横にうすく広がって流れます。

一方、ねばりけの強いマグマは横に広がらず、上へもり上がります。つまり、マグマのねばりけによって火山の形が変わります。

 

① マグマのねばりけが弱い火山

噴火のしかたはおだやかで、溶岩は横にうすく広がって流れるため、傾斜がゆるやかな火山となります。

このような形状の火山を楯状(たてじょう)火山といいます。ふくまれる二酸化ケイ素の割合が小さいため、溶岩は黒っぽい色をしています。

 

  

  マウナロア(ハワイ島)、キラウエア(ハワイ島)

 

② マグマのねばりけが中間の火山

複数回の噴火によって、溶岩と火山砕屑物などが交互に積み重なってできた円すい状の火山です。

このような形状の火山を成層火山といいます。

 

  

  富士山(山梨県、静岡県)、桜島(鹿児島県)、浅間山(長野県、群馬県)

 

③ マグマのねばりけが強い火山

爆発的な激しい噴火をし、溶岩はもり上がるので、傾斜の急なドーム状の火山になります。

ふくまれる二酸化ケイ素の割合が大きいため、溶岩は白っぽい色をしています。

 

  

  雲仙普賢岳(長崎県)、有珠山(北海道)、昭和新山(北海道)

 

 

活火山

過去およそ1万年以内に噴火した記録があるか、または現在活動している火山を活火山といい、日本には2026年現在で111の活火山が存在します。

かつて、活火山に対し、過去に噴火の記録があり、現在は活動がほとんど見られない火山を休火山、過去において噴火した記録がない火山を死火山とよんでいました。

しかし、現在は休火山、死火山という用語は使われなくなり、これらは「活火山ではない火山」などとよばれています。

これは、その後の研究で、数万年の周期で噴火する火山があることなどがわかり、休火山や死火山とよばれていた火山が今後に噴火する可能性はゼロではなく、実際に死火山とされていた火山が噴火した例があることなどの理由によるものです。

 

 

噴火による特徴的な現象

噴火のしかたにはさまざまなものがあります。

噴火のタイプには、

 ハワイ式(ねばりけの弱い溶岩が大量に流出する噴火、キラウエアやマウナロアなど)

 ストロンボリ式(比較的ねばりけの弱いマグマが火口から間欠的に激しく噴き上がる噴火、伊豆大島三原山など)

 ブルカノ式(高圧の火山ガスによりマグマや火山灰などを爆発的に上空高くまで噴き上げる噴火、桜島や浅間山など)

 プリニー式(発泡した溶岩や大量の火山灰などを10000m以上の高さまで噴き上げる最も激しい噴火、フィリピンのピナツボ火山など)

があります。

また、その他の特徴的な噴火の現象には、次のようなものがあります。

 

① 火砕流(かさいりゅう)

火山灰や軽石などの火山砕屑物が、高温の火山ガスとともに高速で山腹を流れ下る現象です。

雲仙普賢岳の噴火において1991年にくり返し発生し、森林や家屋、農地などが広範囲にわたって破壊され、死者・行方不明者が44名におよぶなど、甚大な被害が発生しました。

また、西暦79年に発生したイタリアのヴェスヴィオス火山の噴火で、古代ローマ都市ポンペイが埋もれてしまったのは、火砕サージ(火砕流と似た現象で、火砕流よりも火山ガスの割合が大きい)や火砕流の発生が原因であると考えられています。

 

② 水蒸気爆発

地下水がマグマの熱であたためられて大量の水蒸気が急に発生して膨張し、激しい爆発が起こる現象です。地下水が直接マグマに触れて水蒸気となって爆発すると、水蒸気とともにマグマも噴出します。これを、特にマグマ-水蒸気爆発、あるいは水蒸気噴火といいます。

 

 

火山と地震

世界における火山の分布と震央の分布を図に示すと、火山の分布は地震の分布とほぼ同じになります。なぜでしょうか。

 

  

  

地球の表面は、十数枚のプレートにおおわれています。実は、火山や震央の分布は、これらプレートの境界と一致します。

つまり、火山活動や地震の多くは、プレートの境界で起こっています。それぞれのプレートは年間数cmのレベルで動いています。

これらのプレートの運動と火山・地震が大きく関係していることがわかります。

日本列島は、太平洋プレート、北アメリカプレート、ユーラシアプレート、フィリピン海プレートという4つのプレートの境界に位置しています。このため、日本は、世界有数の火山国、地震国といわれるほど、火山や地震が多い国です。

 

 

火山による災害と恵み

火山による災害

① 噴煙

火山の噴火によって、火口から噴き上げられた火山灰などの小さな火山砕屑物は、噴煙となって長い間にわたり大気中を漂います。この噴煙の中を航空機が飛行すると、エンジン故障や視界不良などによって墜落事故を起こす危険があります。

このため、長期間の欠航などで交通網が閉鎖され、人々の生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、上空高くまで上がった噴煙が、偏西風などで広範囲に運ばれて長期間にわたって日光をさえぎると、気温の低下などで天候に異変が起こり、農作物などが大きな打撃を受けることもあります。

 

② 降灰

火山砕屑物で最も細かい火山灰は、火口から遠い場所まで広範囲に飛散し、やがて地上に積もります。

地上に達した火山灰は、家屋などの建造物の損壊、自動車の損壊、農作物への打撃など、さまざまな悪影響を及ぼします。

特に、鉄道への影響は大きく、線路にわずか0.5mmの火山灰が積もっただけで運行は不可能になると考えられています。ま

た、火山灰を吸い込むことによる健康被害も心配されます。このような影響が長期間におよぶと、私たちの生活に大きな支障をきたします。

 

③ 火砕流

火砕流の被害については、前述の「噴火による特徴的な現象 ①火砕流」を参照してください。

 

④ 火山ガス

火山ガスの主な成分は水蒸気ですが、このほか、二酸化硫黄や硫化水素など、人体にきわめて有毒な気体もふくまれています。

二酸化硫黄は亜硫酸ガスともよばれ、刺激臭をもち、大気汚染の原因となるほか、大気中の水にとけ込んで酸性雨の原因にもなります。

また、硫化水素は、卵が腐ったような独特のにおいをもち、空気より重いためにくぼ地などにたまりやすく、実際に、硫化水素がたまった場所に誤って入ってしまい、中毒を起こして命を失う事故も起きています。

 

⑤ その他

大量の溶岩が流れ下る溶岩流によって生活圏などが破壊されることがあります。

また、噴火によって火口から飛び出した岩石のかけら(噴石)が建造物にぶつかって破壊したり、人体に当たって命が失われたり負傷したりする被害があります。

2014年の御嶽山(おんたけさん)の突然の噴火では、山頂付近にいた多数の登山客が噴石に当たって命を失う事故が起きています。

 

火山による恵み

火山は、人間に被害をもたらす一方で、恵みも与えてくれます。どのような恵みがあるのでしょうか。

 

① 温泉

マグマの熱であたためられた地下水が地表にわき出て、温泉となります。温泉は、私たちに安らぎを与えてくれます。また、温泉がわき出る火山地帯は、その美しい景観によって観光地となり、憩(いこ)いの場となります。

 

  

 

② 地熱発電

マグマの熱で高温になった地下水の蒸気を用いて発電が行われています。

  

 

③ 培養土

火山灰などの火山砕屑物は、水はけがよく、植物の養分となる元素を多くふくんでいるため、これらを利用して、農作物の栽培に適した土をつくっています。

 

 

おわりに

地球が誕生してから46億年がたつと考えられています。46億年前、太陽のまわりでは、たくさんの微惑星がお互いの重力で引っぱり合い、衝突と合体をくり返し、その結果、いくつもの原始惑星が生まれました。地球もその一つです。

 

  

 

生まれたばかりの原始地球は、衝突によって発生した水蒸気や二酸化炭素におおわれ、これらの気体の温室効果と、引き続く微惑星の衝突で発生した熱によって、表面の岩石はとけ、全体は「マグマの海」におおわれていました。

やがて、衝突する微惑星の数も少なくなり、冷え始めました。そして、地球のまわりをおおっていた大量の水蒸気が液体の水になり、雨となって地球に降り注ぎました。この雨によって、地球の表面に海が誕生しました。

しかし、地球の表面が冷えても、その内部は高温のままで、マントルの活動は現在より活発で、プレートの運動やマグマの活動によって、大規模な地殻変動をくり返し、現在の姿になりました。そして、当時よりは静まってきたものの、現在もなお、その活動は続いています。

火山活動や地震は、まだその内部に膨大なエネルギーを蓄えて活動を続ける地球の姿を見せてくれます。人間の手で火山の噴火や地震の発生などの自然現象を止めることはできません。しかし、発生してしまった場合、それによる被害を最小限にとどめることは可能です。これらの自然現象のしくみを正しく理解し、過去の事例などをもとに、発生した場合の被害が予想できれば、それに対処する方法も考えることができます。

 

  

 

とはいえ、自然現象のしくみに関して、科学が大幅に発展した現在でさえ、完全に解明できたわけではありません。もしかしたら、解明できたのはほんの一部に過ぎないかもしれません。また、判明したと思われた事項そのものが間違っているということもあり得ます。ですから、「この程度なら大丈夫だ」「まだ安心できる範囲だ」などと考えられていても、予想外のことが突然起こりうるのです。

前述した2014年の御嶽山の噴火もその一つです。当時、火山活動がさかんになってきていることは認識されてはいましたが、噴火警戒レベルとしては最も低い1の「活火山であることに留意する」程度のものでした。当然、入山規制などは行われず、多くの人々が心配することなく登山をしました。しかし、噴火は突然起き、噴石によって多くの尊い命が失われてしまいました。同じような事例は過去にたくさんあります。

つまり、防ぎようがないことがたくさんあります。それが自然です。自然相手に「絶対」はありません。人類の知恵や力を過信することのないよう、自然に向き合うことが大切です。

 

 

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【中学理科】日食と月食の違いとは? 仕組みを図解でわかりやすく解説

もくじ 日食について考えてみよう 月食について考えてみよう 終わりに 天体分野に強くなる! 文理のおすすめの問題集   日食について考えてみよう 日食とは? 日食とは、太陽が月にかくされる現象です。 地球から見て、太陽の前に月がくると、月によって太陽の一部、または全体がかくされてしまいます。 観ているテレビの前に家族のだれかが立ってじゃまをするとテレビが見えなくなってしまいますね!  これと似たようなもので、月がじゃまをして太陽が見えなくなってしまうのです。   日食はいつ起こるの? 日食が起こるとき、地球から見た太陽の前に月がくるので、太陽、地球、月の位置関係は次の図のようになります。    つまり、月を間にはさんで、太陽、月、地球が一直線上に並ぶことになります。 これを、地球の北極側のはるか上から見るとどうなるでしょうか。      このとき、月は太陽の光の当たらない半面を地球に向けています。地球から月を見ることはできません。 つまり、新月です。日食が起こるのは、新月のときなのです。         日食にはどのような種類があるの? 太陽の欠け方などによって、次の3つに分けられます。  部分日食…太陽の一部分のみがかくされる日食  皆既日食…太陽全体がかくされる日食  金環日食…太陽のいちばん外側の部分だけがかくされず、リング状に光る日食         この3つのちがいはどうして起こるのでしょうか?   ■部分日食と皆既日食 次の図のように、太陽、月、地球が一直線上に並んだとき、月の影が2種類できます。          本影…太陽からの光が完全にさえぎられてできる影  半影…太陽からの光の一部分のみがさえぎられてできる影   ❶図のQ地点、R地点のように、半影に入った地点では、太陽は一部のみがかくされ、その部分が欠けて見えます。  これが部分日食です。 ❷図のP地点のように、本影に入った地点では、太陽全体がかくれて見えません。  これが皆既日食です。 ❸図のP地点のように本影に入っても、皆既日食とはならない場合があります。  どのようなときでしょうか?  皆既日食のように、月が太陽全体をすっぽりとかくすためには、地球から見た月の見かけの大きさが、太陽より大きくなければなりません。  ところが…! 月の見かけの大きさが太陽より小さければ、太陽全体をかくすことはできません。  このとき、地球から見て太陽と月の中心が重なると、月にかくされなかった部分がリング状に光っています。  これが金環日食です。         まとめると、  月の見かけの大きさが太陽より大きいとき→皆既日食  月の見かけの大きさが太陽より小さいとき→金環日食 となります。   なぜ、月の見かけの大きさが変わるの? 同じものでも、遠くにあるほど小さく見えますね。 月も同じです。月が地球から遠くにあるほど小さく見えます。 「えっ!地球から月までの距離はいつも同じではないの?」と思うかもしれません。 しかし、地球から月までの距離は変わるのです。なぜでしょうか? 月は地球のまわりを公転しています。 もし、月の公転軌道(公転するときに動く道すじ)が、地球を中心とした円であれば、地球から月までの距離はいつも同じです。 したがって、月の見かけの大きさはいつも同じです。 しかし、月の公転軌道は円ではありません。だ円です。 図で、月がAの位置にあるときは、Bの位置にあるときよりも地球から遠く、したがって小さく見えます。         このように、月の見かけの大きさは変化し、その結果、皆既日食であったり金環日食であったりします。 なお、月が地球に最も近いBの位置にあるときに満月になると、月は大きく見えます。 この月をスーパームーンといいます。   「月の見かけの大きさが変わるのはわかったけれど、見かけの大きさが、月と太陽で同じくらいなのはなぜかな?」 と思いませんか。 月の見かけの大きさはやや変わります。しかし、小さな変化はするものの、太陽の見かけの大きさとほぼ同じです。 その理由は…! 太陽の直径は月の直径のおよそ400倍です。一方で、地球から太陽までの距離も地球から月までの距離のおよそ400倍だからです。 何という偶然でしょうか! だれかがそのようにしたわけではありません。 月は地球の衛星です。太陽系には衛星をもっている惑星がいくつもあります。 しかし、それぞれの惑星から見た衛星の見かけの大きさが太陽と同じであるものは、月のほかには存在しません。   日食が観察できる地点はどこかな? 本影に入った地点では皆既日食(または金環日食)が、半影に入った地点では部分日食となることは説明しましたね。         地球は自転しています。この自転によって、本影、半影に入る場所は移動していきます。 これらの影を通る場所でのみ日食が観察されます。それ以外の場所では観察できません。日食が起こったとしても、見られる場所は限られています。 皆既日食(または金環日食)が見られる地点では、まず半影に入って太陽が欠け始め、皆既日食(または金環日食)となり、続いて、欠けている部分がだんだん小さくなっていきます。   日食の進み方(皆既日食の場合)は? 地球の自転によって、太陽は東から西へ1時間に15°動きます(日周運動)。 もし、月が地球のまわりを公転していなかったら、月は太陽と同じく東から西へ1時間に15°動くはずです。 しかし、月は地球の自転と同じ向きに公転しています。 1公転に約27日かかりますが、計算をやさしくするため、これを30日とすると、 1日あたり12°、1時間あたり0.5°公転します。 したがって、月の日周運動は1時間で、15°-0.5°=14.5°となります。 太陽は1時間に15°、月は1時間に14.5°、つまり、日周運動では、太陽の方が月より動きが速いことになります。         太陽は、月を東から西に向かって追いかけていき、月に追いついたときに欠け始めます(日食が始まる)。 そのため、太陽は日周運動の進行方向の西側から欠け始めます。         皆既日食の写真でもわかるように、皆既日食のときには、太陽のまわりに白くかがやく光が肉眼でも見えます。 これは、太陽を取り巻く高温のガスの層で、コロナといいます。   日食はなぜたまにしか起こらないの? 日食はたまにしか起こらないため、起こるときにはニュースになります。 しかし、すでに説明したように、日食は新月のときに起こります。新月は1か月ごとに訪れます。 もし、新月のたびに日食が起こるとすれば、1か月に1回は日食が見られるため、ニュースにはならないでしょう。 なぜ、日食はたまにしか起こらないのでしょうか。 地球は太陽のまわりを公転しています。月は地球のまわりを公転しています。 地球の公転面と月の公転面が同じ平面上にあれば、新月のたびに日食が起こることになります。 しかし、この2つの公転面は、ごくわずか(およそ5°)にずれているのです。         このため、太陽、月、地球が一直線上に並ぶことは、たまにしか起こらず、したがって、日食は珍しい現象として話題になるのです。   次に日食が起こるのは? 今年(2026年)には、2月17日に金環日食、8月13日に皆既日食が起こります。 しかし、残念ながらどちらも日本では観察できません。 2月17日は南極、8月13日は北極付近などでしか観測することはできません。 日食が日本で見られるのは2030年6月1日まで待たなければなりません。このときは、北海道で金環日食が見られます。 (もちろん天気がよければ、ですが…)   日食を観察しよう ■絶対にやってはいけないこと 太陽の光は大変強く、目を傷めるため、次のことは絶対にしてはいけません!     ■安全な観察のしかた ピンホールの利用 厚紙などに小さな穴をあけたものを用意し、穴に太陽の光を通すと、影の中に、欠けた太陽の形をした光が見られます。        日食専用のグラス、遮光板の利用 日本で日食が観察できる日が近づいてくると、安価な専用グラスや遮光板などが販売されることが多く、これらを利用してもよいでしょう。 ただし、中には目の保護の効果が少ない質のよくないものが販売されている場合もあるので注意しましょう!  また、太陽を長時間見ることはやめましょう。   その他 専門家が遮光・減光フィルターなどを用いて特殊な加工を施した双眼鏡や望遠鏡、眼鏡などであれば、それを利用してもかまいません。 ただし、その場合でも、長時間にわたって太陽を見続けることは避けましょう。     月食について考えてみよう 月食とは? 月食とは、月が地球の影に入ってしまい、その一部、または全部が見えなくなる現象です。 電球などの光源を背にして立つと、その前に自分の影ができますね。 この影の中に物(光を出さない物)を入れると、入れる前と比べて暗くなり、見にくくなります。 これと似たような現象が月食です。   月食はいつ起こるの? 月食が起こるとき、地球から見て、太陽とは反対側に月がくるので、太陽、地球、月の位置関係は次の図のようになります。       つまり、地球を間にはさんで、太陽、地球、月が一直線上に並ぶことになります。 これを、地球の北極側のはるか上から見るとどうなるでしょうか。       このとき、月は太陽の光の当たる半面を地球に向けています。地球から月を見ると、太陽の光の当たっている面全体を見ることができます。 つまり、満月です。月食が起こるのは、満月のときなのです。         月食にはどのような種類がある? 月食には、皆既月食、部分月食、半影月食があります。次の図で考えてみましょう。            上の図のように、月の影には、太陽の光が地球によって完全にさえぎられる本影と、太陽の光が一部さえぎられる半影があります。 月全体が本影に入ると皆既月食、月の一部のみが本影に入るのが部分月食、月が半影にしか入らないのが半影月食です。 ■皆既月食と部分月食 月全体が本影に入る現象が皆既月食、月の一部が本影に入る現象が部分月食です。     月は、公転によってまず半影に入ります。 (半影の部分は影がたいへんうすいため、肉眼で見ただけではわからないことが多いです!) やがて本影に入り始め、全体が本影に入ると皆既月食、一部のみしか本影に入らないと部分月食となります。         皆既月食でも、月が真っ暗で全く見えなくなることはほとんどなく、暗い赤色に見えます。 なぜでしょうか? 太陽の光のうち、赤色の光が大気に入るときに屈折したり、大気中のちりなどの粒子にあたって散乱したりすることで、本影に入ってくるからです。 やがて、月は本影から抜け、半影に入り、やがては半影からも出ていきます。 月が半影の部分しか通過しない場合は、半影月食となります。半影の部分は影は大変うすいので、言われないと気づかない場合もあります。         図で地球と月の位置関係を見ると、「月が地球の影を横切った後は満月ではなくなるように思うけれど!」と疑問に思いませんか? ここで注意しなければならないのは、月が本影を横切るのに、地球を中心に何度くらい動く(公転する)のかです。         地球の直径は月の直径のおよそ4倍、月が横切る本影の直径は月の直径のおよそ3倍です。 また、地球から月までの距離は、地球の直径のおよそ30倍あります。 これらをもとに計算すると、月はわずか1.5°くらい公転すれば本影を通過できることになります。         月食のしくみを表した図では、実際の距離や直径をそのまま同じ割合で縮小して表すことができません。 そのため、わかりやすく説明するために、これらの割合を大幅に変えて表してあります。 月の満ち欠けを説明する図を考えると、月が横切ったあとは満月ではなくなってしまう位置にくるように思います。 しかし、実際は満月の位置からわずか1.5°くらいしか公転していません。したがって、月は満月のままです。        月食の進み方は? 日食の進み方のところで、日周運動の速さは、月より太陽の方が速いことを説明しました。 つまり、太陽による地球の影の動く速さも、月の動く速さより速くなります。 また、月は地球の影に追いつかれたときに欠け始めます。地球の影は東から月に迫ってきます。 したがって、月は日周運動の進行の向きとは逆の東側から欠けていきます。         日食が観察できる地点はどこかな? 日食は、起こったときでも見られる場所が限られているのに対し、月食は、そのとき月が見えていればどこでも観察できます。   月食の頻度は? 月食は満月のときに起こりますが、満月のたびに起こるわけではありません。 これは、日食の場合と同様で、地球の公転面と月の公転面がやや傾いているからです。 ただ、日食は月食よりも頻繁に起こっています。しかし、日食を観察できる地域は限られています。 一方、月食はそのとき月が見える場所ならばどこでも観察できます。そのため、月食の方が多く起こっているように思われがちです。   次に月食が起こるのは? 今年(2026年)の3月3日に皆既日食、2028年7月7日には部分日食が起こります。 いずれも日本で観察できます。 2028年7月7日の部分日食は、欠けたままの月が地平線の下に沈む月入帯食(げつにゅうたいしょく)とよばれる現象が起こります。  ※欠けた状態の月が地平線からのぼる現象を月出帯食(げっしゅつたいしょく)といいます。   月食を観察しよう 私たちはいつも肉眼で月を見ています。月食も月を見ることに変わりはないので、安心して肉眼で観察しても大丈夫です。 双眼鏡や望遠鏡があれば、より詳しく月面のようすなどを観察できます。     終わりに 天体の分野は、理解しづらく、また誤った解釈をしがちで、苦手意識をもっているみなさんも多いのではないでしょうか。 このブログを書いている本人も、理系人間ですが、天体は苦手でした(いや、いまも苦手です)。 地球から太陽までの距離は地球の直径のおよそ11740倍、太陽の直径は地球のおよそ109倍です。 これらをそのまま縮小して紙面に表すとします。 地球を直径1cmの円でかいたとすると、この円から11740cm(117.4m)離れた位置に直径109cmの円をかいて太陽を表さなければなりません。 さらに、地球からはるかかなたにあるオリオン座などの星をかきたすことなどは不可能です。 そこで、天体の位置関係などを図に表すときは、紙面におさまるように、また、説明しやすくするように、距離や大きさを大幅に変更してかきます。 さらに、空間で起こっていることを平面に表しますから、イメージしにくく、理解に苦しんだり、誤った解釈をしてしまったりしがちです。 最近では、3次元的にとらえられる動画なども出ていますので、理解を深めるための参考にするとよいでしょう。 日食、月食については、次のことをしっかりおさえておきましょう。   ■どんな現象なの?   日食…月が太陽をかくし、太陽が欠けて見える現象(太陽は西側から欠ける)   月食…月が地球の影に入り、月が欠けて見える現象(月は東側から欠ける)   ■起こるときの位置関係は?  日食…太陽-月-地球の順に一直線上に並ぶ。(月が間に入る)  月食…太陽-地球-月の順に一直線上に並ぶ。(地球が間に入る)   ■起こるときの月の満ち欠けは?  日食…新月  月食…満月     天体分野に強くなる! おすすめの文理の問題集 「わからないをわかるにかえる」 中学で学習する理科を基礎からじっくり学びたい、どこから手をつけていいかわからないという人に最適なシリーズです。 この教材は、「わからない」を「わかる」にかえることを徹底的に追求しています。 実験や観察などをスモールステップで図解やイラストでていねいに解説しています。 そのため、理科が苦手な人でも基礎から練習を着実に積み重ね、理解することができます。 簡単なステップで自信をつけながら学習を進めたい方に、特におすすめします。         ▶シリーズページはこちら ▶ご購入はこちら     「完全攻略」 中学で学習する理科の知識を深め、確かな実力をつけたいなら「完全攻略」シリーズがおすすめです。 このシリーズは豊富な問題量が特徴です。 基礎の反復から応用まで問題をしっかりとこなすことで、中学で学習する理科の内容を完全に理解し、定着させることができます。 定期テスト対策ページに加えて、過去の入試問題を扱ったページも収録されています。 日々の学習から受験対策まで幅広い学習に対応が可能です。学校の授業の進度に合わせて使いたい方にも最適です。         ▶シリーズページはこちら ▶ご購入はこちら     「ハイクラス徹底問題集」 難易度の高い問題に挑戦し、応用力を圧倒的につけたい人向けの「理科の最高峰の問題集」です。 この教材では、教科書では取り上げていない高度な内容も扱っています。また、難関高校の入試問題も収録しています。 ハイレベルな問題を解くことで、ライバルに差をつけたいと考えている学習者を徹底的にサポートします。        ▶シリーズページはこちら ▶ご購入はこちら          

【中学理科】オームの法則とは? 公式の利用と計算のコツを例題付きで解説

  目次 オームの法則とは? 基本をおさえよう 直列回路とオームの法則 並列回路とオームの法則 まとめ オームの法則の練習問題 中学理科を学習するのに最適の文理のおすすめ問題集   オームの法則とは? 基本をおさえよう 豆電球や電熱線などに電圧を加えると、これらに電流が流れます。そして、豆電球は光り、電熱線は熱くなります。 電圧とは、電流を流そうとするはたらきのことで、電池や電源装置につなぐことで電圧を加えることができます。 また、電流は、+極から-極へ向かって流れると決められています。 ある電熱線に電圧を加えて電流を流すことを考えてみましょう。電圧、つまり電流を流そうとするはたらきが大きければ、流れる電流も大きくなるのは予想がつきますね。 このとき、加わる電圧の大きさと流れる電流との間にはどのような関係があるのでしょうか。 たとえば、右下の図のように、抵抗器(電熱線と同じような性質をもつ電気器具)にいろいろな大きさの電圧を加え、流れる電流の大きさを測定してみます。 2種類の抵抗器A、Bを使って調べた結果の例を下の表に示します。           抵抗器A、抵抗器Bのどちらの場合でも、加わる電圧の大きさが2倍、3倍、…となると、流れる電流の大きさも2倍、3倍、…となっていることがわかります。 これをグラフにしたものが下の図です。           つまり、次のことがわかります。         この決まりがオームの法則です。 ここで、抵抗器Aと抵抗器Bを比べて、気づくことは何でしょうか。 同じ10.0Vの電圧を加えたとき、抵抗器Bには0.50Aの電流が流れますが、抵抗器Aには0.20Aしか流れません。 同じ大きさの電圧を加えたとき、抵抗器Bに流れる電流より、抵抗器Aに流れる電流の方が小さいのです。 つまり、抵抗器Bと比べて、抵抗器Aの方が電流は流れにくいのです。 この電流の流れにくさを、電気抵抗または抵抗といいます。抵抗の大きいものほど、電流は流れにくいのです。 この抵抗は、数値で表すことができます。抵抗は、電圧〔V〕を電流〔A〕で割った値で、単位はオーム〔Ω〕です。         この式で、電圧〔V〕が決まっているとき、抵抗の値は電流が小さいほど大きくなります。 つまり、決まった電圧で流れる電流が小さいほど抵抗は大きくなり、電流が流れにくいことがわかります。  上の実験で使った抵抗器A、抵抗器Bの抵抗を求めてみましょう。    抵抗器A:10.0Vの電圧を加えると0.20Aの電流が流れるので、            抵抗器B:10.0Vの電圧を加えると0.50Aの電流が流れるので、          の式から、次のように2つの式も導くことができます。       この3つの式こそが、オームの法則を表した式です。電圧をV〔V〕、電流をI〔A〕、抵抗をR〔Ω〕とすると、       この3つの式を利用して、電圧、電流、抵抗のいずれかを求める問題が、定期テストでも入試でも頻繁に出題され、この分野の主流となっています。 では、これらをどのようにして覚えればよいのでしょうか? もちろん、そのまま覚えてもかまいませんが、有名な覚え方の一つに、下のように求めるものをかくす方法があります。         しかし、「分数の形が出てくるので、覚えにくい!」という声もあると思います。 このブログを書いている本人もあまりなじめていません。 そこでおすすめなのが、オームの法則を表した3つの式のうち、分数の形になっていない V〔V〕=R〔Ω〕×I〔A〕だけを覚えましょう。 そして、この式にわかっている数値をあてはめ、残りの未知の数値を求めればよいのです。 12=3×4の式の3つの数のうち、どれか1つがわからない場合、そのわからない数の求め方は次の通りですね!     このように、電流、電圧、抵抗のどれでも簡単に求めることができます。   次の例題1で試してみましょう。 例題1 ⑴ 電熱線に6Vの電圧を加えると、電熱線に0.3Aの電流が流れた。この電熱線の抵抗は何Ωですか。 解き方 電圧(6V)、電流(0.3A)を、V〔V〕=R〔Ω〕×I〔A〕の式にあてはめると、     6〔V〕=▢〔Ω〕×0.3〔A〕、 ▢=6÷0.3=20〔Ω〕 答   20Ω   ⑵ 抵抗が30Ωの抵抗器に、12Vの電圧を加えると、抵抗器には何Aの電流が流れますか。 解き方 電圧(12V)、抵抗(30Ω)を、V〔V〕=R〔Ω〕×I〔A〕の式にあてはめると、     12〔V〕=30〔Ω〕× ▢〔A〕、 ▢=12÷30=0.4〔A〕    答   0.4A   ⑶ 抵抗が15Ωの電熱線に電圧を加えると、電熱線に200mAの電流が流れた。加えた電圧は何Vですか。 解き方 単位に注意! 200mAをAにしなければなりません。200mA=0.2A、     抵抗(15Ω)、電流(0.2A)をV〔V〕=R〔Ω〕×I〔A〕の式にあてはめると、     ▢〔V〕=15〔Ω〕×0.2〔A〕、 ▢=15×0.2=3〔V〕      答   3V   これらの問題を、オームの法則の3つの式すべてを覚えて解いてももちろんかまいません。 わかりやすいと思う方法、間違えにくいと思う方法で解いてください。       ★文理の問題集で「オームの法則」を勉強するのに最適な問題集はこちら。 「わからないをわかるにかえる」 「完全攻略」 「ハイクラス徹底問題集」     直列回路とオームの法則 オームの法則を、右の図のような直列回路で考えてみましょう。 直列回路では、次の❶~❸のことがらが成り立ちます。       ❶より、P、Qのどちらにも0.2Aの電流が流れるので、オームの法則を用いると、 ・Pに加わる電圧は 10〔Ω〕×0.2〔A〕=2〔V〕 ・Qに加わる電圧は 20〔Ω〕×0.2〔A〕=4〔V〕 両方の電圧をたすと、2〔V〕+4〔V〕=6(6.0)〔V〕となり、電源の電圧と同じになります。→ ❷ また、回路全体に加わる電圧は6.0Vで、回路を流れる電流は0.2Aなので、オームの法則を用いて回路全体の抵抗を求めると、 6.0〔V〕÷0.2〔A〕=30〔Ω〕となり、PとQの和になります。→ ❸ これらのことを利用して、次の例題2を考えてみましょう。   例題2 下の回路について、答えなさい。     ⑴ 抵抗器Aの抵抗は何Ωですか。 解き方 Aに加わる電圧は4V、Aを流れる電流は4Aなので、     4〔V〕÷4〔A〕=1〔Ω〕            答   1Ω   ⑵ 抵抗器Bの抵抗は何Ωですか。 解き方 回路全体に加わる電圧は10V、回路を流れる電流は4Aなので、回路全体の抵抗は、     10〔V〕÷4〔A〕=2.5〔Ω〕     ⑴より、抵抗器Aの抵抗は1Ωだから。2.5〔Ω〕-1〔Ω〕=1.5〔Ω〕 別解  Bに加わる電圧は、10〔V〕-4〔V〕=6〔V〕        Bを流れる電流は4Aなので、                 6〔V〕÷4〔A〕=1.5〔Ω〕                        答   1.5Ω     並列回路とオームの法則 次に、オームの法則を、右下の図のような並列回路で考えてみましょう。 並列回路では、次の❶~❸のことがらが成り立ちます。            ❷より、PにもQにも4.0Vの電圧が加わるので、オームの法則を用いると、  ・Pを流れる電流は4.0〔V〕÷10〔Ω〕=0.4〔A〕  ・Qを流れる電流は4.0〔V〕÷40〔Ω〕=0.1〔A〕 両方の電流をたすと、0.4〔A〕+0.1〔A〕=0.5〔A〕となり、PとQに枝分かれする前の電流の大きさと同じになります。→ ❶ また、回路全体に加わる電圧は4.0Vで、回路を流れる電流は0.5Aなので、オームの法則を用いて回路全体の抵抗を求めると、 4.0〔V〕÷0.5〔A〕=8〔Ω〕となり、   となります。→ ❸ これらのことを利用して、次の例題3を考えてみましょう。   例題3 下の回路について、答えなさい。   ⑴ Aに加わる電圧は何Vですか。 解き方 Bを流れる電流は2A、Bの抵抗は8Ωなので、Bに加わる電圧は、     8〔Ω〕×2〔A〕=16〔V〕      並列回路なので、Aに加わる電圧も16Vである。   答   16V   ⑵ Aの抵抗は何Ωですか。 解き方 ⑴より、Aに加わる電圧は16V、Aを流れる電流は3〔A〕-2〔A〕=1〔A〕なので、     Aの抵抗は、16〔V〕÷1〔A〕=16〔Ω〕 答   16Ω     まとめ 「電流とそのはたらき」という分野は苦手意識をもちやすい分野の一つです。特に、計算問題が入ってくると、入試などでも正答率はかなり低くなります。 この分野の大きな幹の一つにオームの法則があります。この分野では、計算が必要な問題のほとんどにオームの法則がからんできます。 オームの法則をきちんと理解すれば、この分野もそれほど難しいと感じなくなると思います。 オームの法則の基本は、電圧〔V〕=抵抗〔Ω〕×電流〔A〕です。この式と、直列回路、並列回路での電流と電圧の特性を一つ一つ丁寧に考えていけば大丈夫です。 電熱線や抵抗器などの抵抗がたくさんつながった回路において、オームの法則は、抵抗一つ一つで成り立ちますし、また、回路全体でも成り立ちます。 類似の問題をくり返し解いて練習することが大切です。次の練習問題で解き方を身につけましょう!     オームの法則の練習問題 問題1 図1のように、3Ωの電熱線Pと5Ωの電熱線Qを直列につないだ回路に電圧を加えたところ、電流計は4Aを示した。 ⑴ 電熱線Pに加わる電圧は何Vですか。 ⑵ 電熱線Qに加わる電圧は何Vですか。 ⑶ 電源の電圧は何Vですか。 ⑷ 回路全体の抵抗は何Ωですか。   問題2 図2のように、40Ωの電熱線Pと抵抗のわからない電熱線Qを直列につないだ回路に、28Vの電圧を加えると、電熱線Qには12Vの電圧が加わった。   ⑴ 電熱線Pに加わる電圧は何Vですか。 ⑵ 電熱線Pを流れる電流は何Aですか。 ⑶ 電熱線Qの抵抗は何Ωですか。 ⑷ 回路全体の抵抗は何Ωですか。   問題3 図3のように、4.8Ωの電熱線Pと抵抗のわからない電熱線Qを直列につないだ回路に電圧を加えたところ、電流計は5.0Aを示し、電熱線Qには12Vの電圧が加わった。   ⑴ 回路全体の抵抗は何Ωですか。 ⑵ 電源の電圧(回路に加えた電圧)は何Vですか。   問題4 図4のように、12Ωの電熱線Pと20Ωの電熱線Qを並列につないだ回路に、18Vの電圧を加えた。   ⑴ 電熱線Pに加わる電圧は何Vですか。 ⑵ 電熱線Pに流れる電流は何Aですか。 ⑶ 電熱線Qを流れる電流は何Aですか。 ⑷ 回路全体の抵抗は何Ωですか。   問題5 図5のように、20Ωの電熱線Pと抵抗のわからない電熱線Qを並列につないだ回路に電圧を加えたところ、電流計は13Aを示し、電熱線Qには100Vの電圧が加わった。   ⑴ 電熱線Pに加わる電圧は何Vですか。 ⑵ 電熱線Pに流れる電流は何Aですか。 ⑶ 電熱線Qを流れる電流は何Aですか。 ⑷ 回路全体の抵抗は何Ωですか。小数第2位を四捨五入し、小数第1位まで求めなさい。   問題6 図6のように、3.6Ωの電熱線Pと抵抗のわからない電熱線Qを並列につないだ回路に電圧を加えたところ、電流計は1250mAを示し、電熱線Qには2.7Vの電圧が加わった。   ⑴ 電熱線Pを流れる電流は何mAですか。 ⑵ 電熱線Qの抵抗は何Ωですか。   問題1~問題6の解答 練習問題の解答は、下記の通りです。くり返し、練習してみましょう。 問題1 ⑴ 12V ⑵ 20V ⑶ 32V ⑷ 8Ω    問題2 ⑴ 16V ⑵ 0.4A ⑶ 30Ω ⑷ 70Ω 問題3 ⑴ 7.2Ω ⑵ 36V               問題4 ⑴ 18V ⑵ 1.5A ⑶ 0.9A ⑷ 7.5Ω 問題5 ⑴ 100V ⑵ 5A ⑶ 8A ⑷ 7.7Ω   問題6 ⑴ 750mA ⑵ 5.4Ω     中学理科を学習するのに最適の文理のおすすめ問題集 「わからないをわかるにかえる」 「オームの法則」など中学で学習する理科を基礎からじっくり学びたい、どこから手をつけていいかわからないという人に最適なシリーズです。 この教材は、「わからない」を「わかる」にかえることを徹底的に追求しています。 中学で学習する理科の内容をスモールステップで図解やイラストでていねいに解説しています。 そのため、理科が苦手な人でも基礎から練習を着実に積み重ね、理解することができます。 簡単なステップで自信をつけながら学習を進めたい方に、特におすすめします。           ▶シリーズページはこちら ▶ご購入はこちら     「完全攻略」 中学で学習する理科の知識を深め、確かな実力をつけたい方におすすめのシリーズです。 このシリーズは豊富な問題量が特徴です。 基礎の反復から応用までを豊富な問題量に取り組むことで、中学で学習する理科の内容を完全に理解し、定着させることができます。 定期テスト対策ページに加えて、過去の入試問題を扱ったページも収録されているため、日々の学習から受験対策まで幅広い学習に対応が可能です。 学校の授業の進度に合わせて使いたい方にも最適です。           ▶シリーズページはこちら ▶ご購入はこちら     「ハイクラス徹底問題集」 難易度の高い問題に挑戦し、応用力を圧倒的につけたい方におすすめの「理科の最高峰の問題集」です。 この教材では、教科書では取り上げていない高度な内容も扱っています。 難関高校の入試問題も収録されています。 ハイレベルな問題を解くことで、ライバルに差をつけたいと考えている学習者を徹底的にサポートします。                ▶シリーズページはこちら ▶ご購入はこちら