「五月雨」「翠雨」……いくつ知ってる?雨の季節が楽しくなる、美しい日本語

6月に入り、いよいよ梅雨の季節がやってきました。
雨の日が続くと「外に出られなくて退屈だな」「どんよりして嫌だな」と感じてしまう人も多いかもしれません。
しかし、昔の日本人は、移り変わる雨の表情をとても繊細に捉え、たくさんの美しい名前をつけて楽しんでいました。
今回は、知っていると日常が少し特別に見えて、国語の表現力や語彙力もアップする「雨に関する美しい日本語」をご紹介します。

知っていると一目置かれる!雨の美しい表現
翠雨(すいう) / 緑雨(りょくう)
新緑のみずみずしい葉に降り注ぐ雨のこと。
雨のおかげで、植物の緑がよりいっそう鮮やかに輝く様子を表しています。
五月雨(さみだれ)
旧暦の5月(現在の6月頃、つまり梅雨)にだらだらと降る長雨のこと。ビジネスの場面などで、物事が一度に終わらず、断続的に続く様子を「五月雨式(さみだれしき)」といいますが、その語源でもあります。
栗花落(つゆり/ ついり)
栗の花が落ちる頃に梅雨に入ることから、「梅雨入り」を意味する言葉です。
大人気漫画のキャラクターの名字の由来としても有名ですね。
喜雨(きう)/ 慈雨(じう)
日照り続きの後にようやく降る雨のことです。
喜びや慈しみという漢字からも、恵みの雨であることが伝わってきます。
白雨(はくう)
夏の晴れ間に突然降りだす、激しい「にわか雨」や「夕立」のことです。
大粒の雨のせいで周囲が白くかすんで見えることからこう呼ばれます。
虎が雨(とらがあめ)
陰暦の5月28日(現在の6月後半〜7月ごろ)に降る雨です。
鎌倉時代の仇討ちで有名な『曽我物語』のなかの、大磯の遊女「虎御前(とらごぜん)」が、愛する人の死を悲しんで流した涙が雨になったというエピソードに由来します。

豊かな表現に触れることは、国語力の土台になる
こうした豊かな言葉遣いや語彙力は、学習においても、また日常においても、非常に大きな武器になります。
国語の教科書やテストの読解問題に出てくる文章には、今回紹介したような情景を表す言葉がたくさん使われています。言葉を多く知っている人ほど、文章を読んだときに「どんな場所で、どんな人が、どんな気持ちでいるのか」がパッと頭に浮かぶようになるのです。
また、語彙力がつくと、自分の「なんとなくモヤモヤする」「なんだか嬉しい」といった言葉にしにくい気持ちを、言葉できちんと人に伝えられるようにもなります。
まとめ
お出かけができなくて、どんよりしがちな梅雨のシーズンですが、雨にまつわるさまざまな表現を知れば、その捉え方にも変化や広がりが出てきます。
雨の日は、お気に入りの本を読んだたり、じっくり言葉を学んだりして、言葉の世界を広げる特別な時間にしてみませんか?


【今回の執筆者】
しーば
【プロフィール】
学生時代、好きだった教科は国語と社会です。
古典の漫画とか、歴史のドラマとかで勉強(?)していました。全体の流れがわかるのでおすすめです!
好きな動物は、柴犬。柴犬カフェで癒されたい。
